青島イオン 折口史明

ご質問の回答 青島イオン 折口 史明
①御社の事業内容を読者の皆様に説明していただけますか?
弊社は、2012年1月2日現在、山東省に7店舗(2012年1/14開店の済寧店を入れると8店舗)を展開する、日本のイオングループの中国現地法人会社で、総合小売業を営んでいます。(従業員数3800名、2011年度営業収益20億元、日本人駐在員16名)
中国では現在、5つのイオンの総合小売業の事業会社(香港、シンセン、広州、北京、青島)および青島ミニストップ(現在30店舗)などのグループ企業があり2012年1月現在、80店舗を展開しております。)

②青島に会社を作られてどのくらいになりますか?そのきっかけは?青島の印象は?
今年で会社設立15年になります。
1998年1月に香港中路の第1号店(現在の東部店)を設立しました。設立のきっかけは、青島市政府より、中国小売業近代化の為に、当時、弊社会長の岡田(現名誉会長)に相談があり、いくつかの立地候補より現在1号店の立地を選んだそうです。
当時は、周りには何もなく、「よくこんなところに、こんな大きな店舗を作るもんだ」と揶揄されたそうです。現在では、駐車場も狭く、商業施設としても狭すぎるため、大幅な増床を政府に申請していますが、あらためて、この15年の中国の発展スピードの速さに驚くばかりです。(写真参考!)
今年は会社設立15周年の「節目」となる年ですので、地域のお客さまや歴代のお世話になった人たちをお招きし、秋には15周年記念式典を開催させていただく予定です。
③現在特に力を入れておられるビジネス分野はどのようなものでしょうか?
今、一番、力を入れているビジネスは本業である総合小売業の進化形開発と「新しい」商業施設(ショッピングセンター)の開発です。
中国の消費市場は確かに成長していますが、まだまだ真の意味での消費者にとっての「豊かさ」「楽しさ」は実現されていないと思います。
われわれは、小売業の果たすべき役割を「国民生活における真の豊かさの実現」と捉えています。
その意味においてわれわれはもっともっと進化し、変化していく必要があります。
たとえば、単に大きな企業であるとか、ブランド商品が並んでいるとか、商品が豊富であるとか、商業施設の環境が快適であるということだけで、消費者が商業施設や企業を選ぶ時代は早々に終わるでしょう。
従業員のホスピタリティをはじめ、企業としての姿勢(例えば地域貢献や環境への配慮、安全安心に対する正直さ)を消費者が正しく「評価」し、商業施設、企業を選ぶ時代が目の前に来ていると思います。
消費者から選択された企業のみが生き残り成長していく「本当の競争」がまもなく
中国の国内市場でも始まります。
われわれはアジアNo1小売業として「小売業の革新」を継続していきます。
④今までの仕事上で思い出深いものは何でしょうか?
昨年、12月、弊社が2008年から行っている社会貢献活動の一環として、中国海洋大学および青島大学へイオン奨学金の授与式典に行ってまいりました。(写真参考!)
山東省や地方から来られた経済的に恵まれない優秀な学生さんたちが、本当に目に涙を浮かべながら、「この奨学金のおかげで私たちは学業を続けることができます。しっかりと勉学に励み、卒業して、必ず社会に貢献できる人物になりたいと思います。」という姿には本当に感動しました。
「豊かになった」といわれる中国で、一張羅をまといながら、相部屋での寮生活を過ごし、将来への「夢」を必ず実現しようと頑張る若い彼らの姿こそが、今の中国の「躍動感」であり、国の成長を支える原動力でしょう。
私自身が3つの奨学金をもらいながら大学へ通った経験とも重なり、ぜひとも若く優秀な彼ら彼女らには、頑張ってもらいたいと思います。
中国海洋大学・青島大学からは、2005年より毎年、継続的に弊社へ採用を継続しています。2012年1月現在、累計では74名の優秀な方々に弊社で働いていただいています。
きっと近い将来、弊社の幹部経営者として成長してくれると確信しています。

⑤ビジネスを通じて今迄一番苦労されたこと、又、一番嬉しかったことは?
一番の苦労は、やはり対政府、対行政との交渉ですね。人治国家といわれる中国において人と人との繋がりを大切にすることはもちろんですが、中国には残念ながら「お客さま」の理論がなかなか通用しません。(日本も同じですが・・・)
もちろん、われわれイオンの手がける商業施設が、お客さまのものであるという「先進的な」意識をもった優秀な方も存在します。
しかし、われわれが企業理念として掲げる「お客さま第一」を実践の場において実現しようとするときには、かならず何らかの形で衝突します。
これを粘り強く交渉し、相手を納得、理解させ1つ1つ実現していくことが一番、やりがいがあり、骨が折れる仕事ですね!
青島へ来て、ずいぶんと白酒にも強くなりました!(笑い!)

⑥青島においてビジネス上一番大変(困難)なことは何でしょうか?
そんなに大変な事はないと思います。従業員にも恵まれていますし、周りの支えていただける方々  にも大変、恵まれています。
特に、青島は日本人会の「心」の繋がりが非常に強いと思います。
(大谷名誉会長、兼重会長のご精神だと思います!)
他の中国の地域での日本人会にくらべ小規模であることもあると思いますが、業種・業態を超えた、アットホームな感じがあります。
われわれ青島イオンも様々な場面で、公私ともにアドバイス・ヒントをいただき、非常に助けていただいています。
あえて大変な事をひとつ言えば、弊社の店舗を巡回する時の移動時間の長さです。
青島から最新店舗の済寧までは車で6時間かかります。(青島から約580Km!!!)従業員達の顔を見に行くのも一苦労です。離れた場所に店を作った自分たちの責任、自業自得なのですけどね!(笑い!)
⑦逆に、日本に比べて楽でベターと思われることは何でしょうか?
どこと比べて楽と言う考えは持っていません。どこでも楽をしようと思う人は楽をするのだと思います。但し、そういう人には大事なやりがいのある仕事は来ません。
私は常々、日本から派遣されている部下に言っています「君たちには日本と比べて、2つも3つもの役職を同時にやってもらわなければならない。日本よりはるかに困難で大変な仕事内容かも知れない。しかし、その中で自分自身が成長するために努力し、この状況をやりがいを持って、前向きに仕事をする人を評価する。大変だと考える
人間は日本に帰っても良い」と。
やはり、私は、困難な状況を「乗り越えていく」過程でこそ、人間としての成長があり、人間としての真価が発揮されると思います。
難しい課題はいっぱいありますが、社員たちや家族やお客さま、他のステイクホルダーのためにその課題を乗り越えながら「輝かしい未来を創造する」ことにチャレンジできる今の環境は、すばらしく、非常に「やりがい」を感じています。
⑧青島、山東省(中国)の経済展望をどのように予測しておられますか?
現在の中国済は既に調整局面に入っていると皆さんが感じていると思います。
特に、最近、不動産価格の下落に伴う「バブル崩壊」と格好のネタになっています。
しかしもともと、中国の経済成長の大部分は個人消費の拡大ではなく、投資+輸出が牽引してきたものですので、今の「調整局面」には驚いておりません。
不動産価格は「上がりすぎたものが元にもどる」だけであり、その意味で調整です。
マネーサプライの過剰流動性からくるインフレを抑制することは、国の安定をはかるための喫緊の課題であり、そのために中央政府は、今後も安易に「金融緩和」には踏み切れないでしょう。しばらくは、厳しい不安定な経済状態が続くと思います。
難しい課題ですが、中国はこの難題、持続的成長と社会の安定を「軟着陸」させるべく、今後も全力を尽くすでしょう。
今後、第12次5ヵ年計画の3つのポイントの中で中国が真っ先にあげている  「成長方式の転換」つまり、今までの輸出・投資主導の成長から消費主導の経済成長への切り替えが大きなカギになると考えます。
国民の生活を真に豊かにすることこそが、国の経済発展の中心になっていくのでありその意味において、いよいよ我々小売業の「出番」が来た!と実感しています。
⑨御社の今後の事業計画や展望を、差し支えない範囲でお聞かせ願えますか?
青島イオンとしては、今後も山東省内にどんどん店舗展開をしていきます。
2020年には山東省ですべての業態をあわせて380店舗体制を構築します。
また、青島イオンが中心となって今後、イオングループ企業がどんどん進出してきます。(例えば食品スーパーのマックスバリュやイオンクレジットサービス、イオンディライト、イオンファンタジー、イオンモールなど)
我々の夢は、中国山東省に「もうひとつのイオングループ」を創り上げることです。
⑩中国での生活面で、中国の良い点と改善するべき点は?
良い点は、食べ物がおいしい事。人間が暖かく親切である事。緑が多く環境がいいこと。バスやタク    シーの料金が安いこと。ジャスコがあること???
改善点は、交通渋滞がすごい事。(北京・広州よりはマシですが・・・)
歩道がデコボコであること、早く地下鉄が開通することを期待します!
休日や時間帯によってタクシーがまったく捕まらないこと!!!(ほんと困ります!)
⑪中国料理は如何ですか?
青では特に海鮮系の中華がおいしいですね!
あさりや牡蠣、えび、黄花魚、牙片鱼の料理は青島ビールにもよく合います。
しかし、山東省の内陸部へ行くと、圧倒的に肉料理と野菜が中心になります。
山東菜は、おいしいのでついつい食べすぎ・飲みすぎで、青島に来てからまだ9ヶ月ですが体重が3Kgも増えてしまいました!
子供たちからも、お腹の贅肉をつままれながら「お父さんメタボ注意!」と警告?を
受けています!(笑い!)
⑫休日はどのように過ごされますか?
はずかしながら最近あまり休日が取れていませんが、休みのときは必ず家族で過ごします。台東や黄島、即墨、中山公園などでショッピングやおいしいものを探したり歴史名所を巡ったりしています。山東省はほんとうに歴史の宝庫ですね!
また、山登りが好きなので暖かくなったら(根性なしです!)崂山や泰山にも登ってみたいと思っています。
⑬御社の自社PRをどうぞ
弊社の経営理念は「お客様への貢献を全従業員の使命として山東省において最もお客様志向に徹する会社になる」ことです。この「お客様第一」の理念だけはどこの企業にも負けたくないと思っています。まだまだ未熟な企業ですが、皆様方のご支援・ご指導をよろしくお願いいたします。
⑭青島の日系企業、日本人や、そこで働く人たちにアドバイス、メッセージをお願い致します。
まだ、青島に来て9か月ですので、色々とアドバイスをお願いいたします。
また、海外でお仕事をされているお仲間として、皆様方を尊敬しております。
今後とも、青島イオンへのご愛顧・ご支援をよろしくお願いいたします。 
 

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